汗やら涙やら再会の茶店(さてん)

 

汗つぽいけどハグしてもいいですか

 

マッチングアプリつて何鱧の皮

 

孫の手は各自一本夏の星

 

長女次女三女と嫁ぎ涼み台

 

   辻 水音          

 

トマト冷やして「ただいま」を待つてゐる

 

「ただいま」の声の恋しく杏煮る

 

ベッドより望む夜空や星涼し

 

頂き物よとメロン頂くひとりの日

 

夕焼空大事なひとと老いてゆく

 

   はしもと風里


魂胆を隠しポンポン咲くダリア

 

朝曇り今日が飛び出すトースター

 

あの朝はおはぐろとんぼ飛んでたわ

 

さくさくとお金減ってく涼しさよ

 

翔平のバットフリップ雲の峰

 

   波戸辺のばら

      写真 のばら・コアラ


ラジオ体操朝の光と友だちに

 

父さんとかわりばんこに夏の星

 

冷房はキンキンとりの皮が好き

 

似た柄のTシャツ同士笑い合う

 

夏休みスーパーの籠持ったげる

 

    林田麻裕

 

星祭会えない会える会わなくちゃ

 

涼しげに友だちみんなおばあちゃん

 

夏に会う好きな昔のワンピース

 

夏だ友ハグしてふたりして涙

 

再会の夏口紅をひいて行こ

 

 火箱ひろ


猫の命日蟷螂三度目の脱皮

 

骨太の手指が嫌ひ蟷螂愛す

 

手拭ひを叩いて干して夏の空

 

さびしいの四文字飲み込む蝉生まる

 

冷房や拘縮の膝こじ開けて

 

松井季湖

    写真 季湖・蝉の抜殻


べたべたのジャムの手のひら夏やすみ

 

夏休み水切り石になる小石

 

もともとはピンクのケトルかたつむり

 

涼しさは猫ねころんでいるところ

 

冷房が効いてこなくて笑いすぎ

 

 おーたえつこ

この男ドラえもんなの遠花火

 

水馬高く飛びだす午後三時

 

蘭鋳となって夜空を泳ぎ出す

 

昼顔のように起き出す日曜日

 

会いたくて逢いたくて麦わら帽子

 

    たかはしすなお

 


いい子だね並んで朝顔の双葉

 

山椒魚見た日山里の匂い

 

あの夏の水玉水色ワンピース

 

夕焼けてこんなに大きくなって僕

 

てんてんが繋がるあした星涼し

 

   つじあきこ 

     写真 あきこ・船鉾の曳き初め